初期研修病院について③職員と病院の役割(就職活動)

はいセレンです

本日の二つ目の記事ですが、初期研修病院の研修内容を考えるうえで

ライフスタイルごとに、福利厚生や設備面の話、自分の将来像や病院側の教育への考え方がマッチしているのかをテーマにして記事を書きました。

今回は初期研修の研修内容について私が考える、こういう点を見たいなということを発信したいと思います。

あくまでN=1の意見ではありますが、学生にどんなところが研修病院ごとに違うのかや、学生に研修を宣伝する先生方が自分の病院の強みを再確認していただければ嬉しく思います。

 

 

ではまず研修内容を考えたときに私が確認する研修の環境は下の図です

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どんだけ確認してるんだて話ですよね(笑)

全て切り離して考えることは非常に難しいですね…

 

人的環境

これは、一番大事だと思いますが、それを優先して
〇〇先生がいるからとそれを目当てで研修病院を決めない方がいいかなと思っています(矛盾してるないか!)

 

当たり前ですが、なぜ大事かというと、一人では何もできない研修医にとって、時にやさしく、時に厳しく教育してくれる人の存在が最も重要だからです。

 

まずこれを、考えるうえで、教育者として初期研修一年目の先生が関わる機会が多い人が一番大事になります。

例えば、
 規模の大きい病院で研修医がひと学年20人以上いて、初期研修医が同じ部屋を与えられている環境では、一番頼りになる、仕事を教えてもらうのは1つ上の研修医の先生になりますし

 規模が小さくて、初期研修医が一人、二人の病院で、研修医室がない病院では、指導医や専攻医クラスの先生に相談する機会が多くなります。

 

病院見学で、教えるのが上手な先生に付いて見学をさせてもらうと、この先生に教えてもらいたいからこの初期研修病院がいいんじゃないかなと思うのですが、

注意しなければいけない点が複数あります

・ローテート期間

・初期研修医、後期研修医や専攻医の人数

・異動

 

まずローテート期間ですが、例えばこの消化器内科の先生に教えてもらいたいと思ってその研修病院で初期研修をしたとしても、初期研修期間は半分以上が必修で埋められており、自由期間も病院ごとに規則があったりして、2年間研修するうちの3カ月しか回れないというような事例もあります。

 

初期研修医や後期研修医、専攻医の人数が重要なのは、特に本を書いていてカリスマ性があるような先生や、その先生に教えてもらうために全国から研修医を引き寄せるような先生の場合です。
というのも、指導医の先生も体は一つしかないので、どうしても年次が上で、その診療科を専攻してくれた上の学年の先生を指導するので手一杯だったりします。
確かに、初期研修から残れば後期研修医でもよく目をかけてもらえるかもしれませんが、働いてみると先生の印象が変わるという話もよく聞きますので熱狂的に一人の先生を追いかけるのは少し考え直した方がいいかもしれません。

 

つぎに異動ですね、特にそのいいなと思う先生が、医局の属している場合は、医局人事で病院が短期間で変わりうるので、気を付けた方がいいと思います。医局に属していなくても、将来の展望次第では、自分が入る年に別の病院にいるということもあるので、確認してみるといいかもしれません。

異動の有無をスクリーニングするには
先生て家建てました?』と質問するのが、感度特異度高めの信頼できる質問です(セレン調べ(笑))

 

一人の指導医を目当てにするべきではないと言いましたが、

どの指導医の先生に当たってもいいなぁと思う先生ばかりの環境だと、数人が異動しても研修するときに不満や後悔は少ないのではないでしょうか

 

人的環境で研修医も大事ですね

特に一つ上の研修医の先生にはお世話になる機会はたくさんあるので、必ず受ける病院では一つ上の先生方の雰囲気は重視した方がいいかなと思います。

また、いわゆる屋根瓦式教育を行う病院では、教育のレベルはその病院の一つ上の研修医や後期研修医のレベルによって決まるといってよいほどに重要です。

雰囲気以外では、研修医の分布というか、一つの出身大学から集まる病院やその地方のいろんな大学から集まる病院、北海道から沖縄まで全国から研修医があつまる病院があります。

自分の同級生が多い環境の方がストレスが少なくて良いという考えもありますが、医学部の狭いコミュニティを出たい人にとっては、全国から研修医が集まる風通しのよい環境は魅力的に映ると思います。

 

最後にスタッフについて、これは医師以外の職員の方との距離感や雰囲気です。

私が気にしているのは、他の医療職の方が、研修医にいろいろ意見をくれる環境が魅力だと思います。

研修医になって病棟管理などを手伝う際の書類仕事や指示だしなどの技術を身に着ける必要がありますが、不備があったときや、改善点などを気軽に指摘してもらえたり、職場内の暗黙のルールみたいなものを気軽に教えてくれる環境が嬉しいかなと思います
(例えば:看護師さんの引継ぎの時間や週末事情で指示出しをいつまでにしてほしいか、リハビリのオーダーなどの院内ルールを気軽に説明してくれる距離感)

こういう技術はそもそもどの病院に行ったとしても、気持ち次第で身に付くとは思うので自分は頑張りたいと思いますが、医師が看護師さんの悪口を平然と言うような雰囲気の病院を見ると、嫌煙したいなと思ってしまいますね…
職員同士で愚痴を言う病院よりも、うちの看護師さんはこうこうしてくれて仕事がやりやすいんだという先生がいる病院に勤めたいと思います。

 

役割

これは、キャリアに対する価値観でどうとらえるかが大きいので一個人の意見にしかならないと思います。

大学 VS 市中病院

大学病院は専門性がやはり強いという特徴がありますし、市中病院は症例数が多く、Commonな疾患を多く見れる環境にありますよね。

一般的に福利厚生面では市中病院が勝つことが多く、倍率など見ていても、市中病院の方が人気な傾向はあるのではないかと思います。

大学病院の強みが活きるのは
・いわゆるマイナー科志望(特にシーリングのある都道府県)
・研究に興味がある

・海外に行きたい

の3つが代表なのかなと思います。

眼科や皮膚科などは一部の都道府県では専攻医の人数に制限が設けられており、基幹プログラムにはいる場合も教授の推薦がもらえる医局員の方が有利なのかなと思います。

研究に興味がある場合、大学病院だと抄読会の機会が多かったり、学位を持っている先生も多いので論文の読み方など相談できる先生が多いのではないでしょうか

海外に行く場合、臨床留学はUSMLEなどの資格試験が必要ですが、リサーチフェローシップで行く場合は、給料などに目をつむれば大学から紹介してもらえば、比較的楽に行くことができるため、コネを活用する場合は大学の強みだと思います

大学病院の利点や良さは入局することで得られることが多いと思うので入局したくない場合は初期研修はとりあえず市中病院で医局の様子を見てみるのが良いかもしれませんね

市中病院には医師が少なかったり、眼科や皮膚科は医局から派遣される先生が外来だけという病院も多いですが、
一般内科などはスタッフの職員がいる場合もあり、医局派遣の先生医局に属さない先生がいるのでいろんな意見を聞いてから入局を考えることができてよいかもしれません。

入局する場合でも、人気のある大学病院の一般内科の場合は自大学の学生は外の市中病院で研修してCommonな疾患の診療の基礎を作ってから三年目で戻ってきてねという病院もあるくらいです。
⇒よくよく話を聞くと、大学は別の都道府県に行っていたが、出身地で働きたいとなり入局を決めた場合、その病院の先生の名前などを覚えるうえで、初期研修で毎月別の科をローテートすることで先生方の顔を覚えることができるのでよいという話も聞きます。

 

救急

一次救急、二次救急、三次救急のどれを見たいんだという話ですね。

週一回程度の当直が基本で、必修で2か月くらいは回ることになるので、どんな研修しているのかは確認した方がいいのかなと思います。

初期研修病院の場合は多くは二次救急か三次救急のところが多いと思います。

救急を勉強したい医学生は救急の専門医がいる病院で研修したいという話をしているのを良く耳にしますが、実際に見学して確認した方がいいと思いました。

例えば三次救急で多発外傷や熱傷が運ばれてくる病院でも研修医の救急での仕事は、トリアージされたウォークインの患者を診て、問診と基本的な検査を取って上級医と相談するという病院も多かったりします。

とりあえず、三次救急かどうかを重視するのもありますが

いわゆるER型の救急のような、救急車もウォークインもどんな患者さんにでも対応できる救急かどうかという軸を入れてみるのもありなのかと思います。

あとは、ドクヘリやドクターカーに乗ってみたいとか、山岳地帯の滑落患者が運ばれるとか、交通外傷が多い病院など、自分の興味がある救急を見てみたいという好奇心で見学に行ってみるのも一つだと思います。

あとは、病院によっては、救急以外のローテート中でも週一回は午後は救急外来をみる病院などもあり、病院ごとに個性があって面白いかもしれません。

 

病床数の規模と診療科

 

病床数と診療科の充実具合も重要ですね

大きい病院では

診療科が充実している病院は病床数も多く、医師もたくさんいる傾向にあります。

大きい病院のメリットは、専門性が高い疾患や診療まで見ることができる、特に診療科で悩んでいる医学生は、後期研修も同じ病院でいろいろ探せるメリットがありますよね。

あと大きい病院では、研修医の採用人数も多い傾向にあり、たくさん同期がいた方が楽しい人にも良いかもしれません。
特に全国から研修医が集まる大病院は、全国の知り合いができて刺激があるんじゃないかなと思います。

欠点というか大変なのは、1000床クラスの病院は見学するたびに迷子になりそうだなと思っています…(笑)

小さい病院では

とにかく、診療科やほかの職種の方の距離が近いですね
300床程度の病院ならば、おそらく、半年間あれば、職員さんの名前と顔を覚えることができますし、相談事がしやすい環境だと思います。

先生方も一度指導してもらった先生は別の科を研修している時も気をかけてくれるケースがたくさんあるとか…

大きな病気は専門家の先生や機材の充実している大きな施設に送る必要などはありますが、入院から退院まで一貫して患者さんを診る機会が多いのはよい点なのかなと

 

後は、人的環境で述べた、研修医に関わる機会がある先生が、一個上の研修医よりも、さらに上の上級医になる機会が多いので、アドバンスな指導を受けたい場合は、少数精鋭な病院に軍配が上がるかもしれません。

 

これは好みが分かれるかもしれませんが、
小さい病院は研修医の数が少ないので、レジナビなどの学生向けの研修医のリクルートの仕事をする機会が多くなるそうです。

部活の新歓が楽しい人はきっと楽しいのかなと思うので、初対面の後輩と話すことが好きな人にとっては楽しいんじゃないでしょうか?

 

 

 

まだ2/6を書いた段階でまた疲れてしまったので

続きは
また明日以降に書いていこうと思います