米国内科学会(ACP)とDynaMed・MKSAP

いつもの前置き

はい、セレンです。

ブログとは関係ないのですが、最近知人のつてで、

医学教材の作成バイトの話を頂き、参加させてもらうことになりました。

ブログも始めたばかりですが、いつか、ここから仕事とかいただけるようになったら嬉しいなと思いつつ今日も書いていこうかなと思います(笑)。

 

今日は雑談ですが、勉強大好きで英語文献とかに挑戦したい医学生にとっておきの内容となっております。お医者さんの先生はご存じの方も多いかなと思いますが、

勉強に対してやる気がありそうだけど、ACPとDynaMed知らない医学生に教えてあげてもらえたら嬉しいです。

 

 

ACPとは

American College of Physicians (ACP)の略で、日本語では米国内科学会と表記されます。

アメリカの医師の組織の中では2番目に大きい組織だそうで、

あのJAMAを発行するAmerican Medical Association (AMA)に次ぐ組織らしいです。

 

このACPですが、日本支部もあり、

日本人医師や医学生向けの勉強会企画があったり、学生でもインターンに参加している人もおります。

外国の先生方の指導を受ける機会もあり、様々な方面で繋がりを作るうえでは非常によいです。

学生会員は所定の書類を郵送すれば会員費は無料なので、USMLEや臨床留学、医学英語に興味のある学生は是非参加することを勧めます。

www.acpjapan.org

 

研修医以降は、会費が必要になるみたいなのですが、DynaMedが利用できる点とMKSAPの購入時の割引など考えると悪くないのかなと思います。

 

ちなみに米国会員になるのも手で、

学生会員は無料でしかもネットの手続きだけなので、英語での申し込みが億劫でさえなければ日本支部会員に申し込むより簡単です。

会員費ですが、

・学生は無料

・研修医は$119

・医師はPGY8まで$260 PGY9以降$550です。

 

webapi.acponline.org

せっかくなので、登録用のリンクを貼っておきます。

学生の方は登録の申し込みは5分程度で終わりますし無料なので是非お勧めします。




DynaMedとは

多くの方はすでにご存じだと思いますが、

DynaMedは、医学系ジャーナルや国際的ガイドラインといった様々な情報源から最新のエビデンスを集約した、臨床レファレンスツールです。

臨床レファレンスツール DynaMed - 大阪大学医学部附属病院卒後教育開発センター (osaka-u.ac.jp)

Up to Dateと似ており、日々発信される臨床情報の中で専門家が有用と判断したものを取り入れ更新し続ける電子教科書ですね。

Up to Dateに比べると、DynaMedは端的に事実を述べるような文章が主体でUp to Dateの叙述的な表現が少ない印象です。
初学者はUp to Dateの方が理解しやすいかもしれません…。

 

普通の医学部はUp to DateかDynaMedを契約してくれていますし、

基本的な臨床研修病院でもどちらか契約していることが普通だと思いますが…

弊大学では、学生の要望として契約を学生と学部長の話し合いに提案したら、Up to DateやDynaMedとは何ですか?ととぼけた内容が帰ってきたので諦めましたが…

 

日本と米国の臨床的な違いこそあれども、Up to DateもDynaMedも常に更新され続ける教科書なので初期研修になってもどちらかを使うんだろうなと思いますが、

 

Up to DateとDynaMed

どちらを契約している病院が嬉しいか?と聞かれると…

迷わずUp to Dateと答えます。

 

というのもACP会員は無料でDynaMedが見れるからです。

(少なくともACPの米国本部会員になってしまえば学生会員でも無料です。)

DynaMedの通常の購読料金は以下の通りで

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Up to Dateは研修医と医学生が以下の料金で

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専攻医以降は

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高いですよね…Up to Date それだけ有用なツールなのだと思いますが…
施設で購入するのはさらに高いのかもしれませんが…

というわけでUp to Dateは高いから自分で買いたくないけどACPに入会するつもりはあるので、DynaMedは施設で契約しているか気にしていないのです。


DynaMedはACPに登録するつもりさえあれば読めてしまうからです。

 

 

MKSAPとは

MKSAPとは

1967年に創刊されたMKSAP(Medical Knowledge Self-Assessment Program)は、内科系領域のサブスペシャリティを網羅した自主学習のための教材です。研修医や臨床医が必要とする最新の情報を得るための学習システムとして、世界中で標準的な生涯学習教材として活用されています。

MKSAP | 南江堂 洋書部 (nankodo.co.jp)

 

という如何にも凄そうな内科の教科書ですね~

二年に一度新しい版が出るのですが、つい先日、米国時間8/31にMKSAP19という新しい版が販売されましたね…

というのでかって先日腎機能についてMKSAPの教科書で勉強したわけですが…

このMKSAPもACP会員は割引が適応されるんですね…

日本国内の販売では、南江堂さんが代行?してくれているようで

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背筋が凍りそうな値段ですよね…
しかもプリント版てアメリカから輸送なので、コロナの影響などで輸送が遅れるかもしれないんですよね…

 

一方でACPの米国サイトから

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$1いくらだったかなとか気にしてはいけませんね

中抜きは日本のお家芸

南江堂さんはACPの非会員価格なので会員価格は同じかもしれません…

一応フォームをクリックすると

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このように出てきますが、私は、ACP経由で買った方が安いだろうなと思い直接

MKSAPを購入しましたが、

南江堂経由のほうが日本語で対応してもらえますし、ツアーガイド的な意味で手数料取られるのも仕方ないのかもしれませんが…

 

私は8/31の発表前割引もあったのであれですが

これがACP経由で買ったMKSAPの料金で

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同じMKSAPをACP割引なしで南江堂経由で買うと

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2倍くらい違うやんと(笑)

 

10万円と聞くと学生が気安く買える代物ではないですが、

$469なら、Medic mediaのQB国試をそろえるより安いですね(笑)

ということでQB国試を買わないでMKSAPに課金しました(笑)

国家試験受かるか不安はありますが…

 

 

 

ACP会員の他の利点は自分では使いこなせていないので、まだまだ、甘いというご指摘あれば教えていただきたいですが、学生は無料なので

日本会員はもちろんのこと米国会員に登録することをお勧めします。

あとMKSAP滅茶苦茶楽しいです。

執筆も忙しくて最近はあまり解けていませんが

一日20問くらい解けたらいいなと…
(国家試験解く時間がないのが悩みです(笑))