少人数グループ学習のファシリテーション(読書感想文2)

いつもの前置き

はい、セレンです
先日参加した勉強会で医学教育の最前線の話を聞いて
勉強会運営だったり、後輩への指導などの話を聞いていて

医学生として最高学年になった今、勉強会でブレイクアウトルームなど作られるとファシリテーターとしての役割が求められる中で、下の学年の子が発現しやすく、学習を支える役割を果たせているだろうか?と思っていた時に
眼についた項目があったので共有したいと思います。

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以前も紹介しましたが、この本からの引用です。興味を持たれた方は是非に

 

少人数学習でのファシリテーション

少人数学習でのファシリテーターはチューターともよばれます
セッションの中での
 ・全体のセッション内のデザインと準備

 ・セッション中のファシリテーション

の二つになるそうです。

 

役割①デザインと準備

ファシリテーターは議論が始まる前に

OARRを事前に通知することが望ましい

①O:Outcome:ゴール

②A:Agenda:大まかな流れ

③R:Role そこにいる者の役割

④R:Rule グランドルール(心得や安全性について)

 

というものがあるらしくて


①では、さっき出た、患者さんの情報から、鑑別疾患と追加で聞きたいことをまとめよう

②では、では、一人ずつ意見を言ってもらいながら、最後にまとめましょう

③では、低学年の人から意見を述べてもらいながら、上級生には補完してもらいたいと思います

④では、ここでは、間違えることは、実臨床の患者さんに迷惑をかけることはないので、思う存分間違えていいです。どんな意見にも否定はしないようにしましょう!

という流れが自分が勉強会で使っていきたいなと思いました。

 

役割②セッション中のファシリテーション

ファシリ中に求められるスキルは

  • 発表を傾聴する
  • 学習者に対して反応する
  • 適切な問いを投げること
  • 理解を促す説明をする
  • 活発な家kンを促す工夫

 

どれも難しそうですよね

 

なかでも、勉強になったのは

 学習者に対する反応のスキルに
  Reflecting back;オウム返し
  Perception checking;つまり~ 自身の理解を確認
  Paraphrasing;言い換え
  Slience;沈黙 気まずい空気をリセットする
 沈黙も上手く使ったり、少し考えてみようという時間にできるという話は驚きました
 

 そして、適切な問を投げることですが
 抽象⇒具体性
 例)
  感染症て具体的にどんな感染症だと思う?
  感覚障害は具体的に痛みかな?しびれかな?灼熱感かな?
 具体性⇒抽象
 例)
  この下痢と神経障害を一元的にはどう説明できるかな?
 時間軸の意識
 例)
  いつまで抗菌薬を続ける?
  検査が出るまでの時間に何を考えようか?

 

Open Questionを使う手法
 5W1H疑問に置き換える
  例:この検査は必要ないか?⇒なんでこの検査をしたいと思ったのか?

 広げる
  この発熱と体重減少が関連する疾患は?

 正当化する
  どうして、心不全より、肺炎と思ったのか?
 仮説を立てる
  もしこの患者さんが免疫不全なら治療は変わる?

 ほかの可能性
  透析が必要でも本人が希望しなかったらどうする?

 

最後に

制限時間を意識しながら、発言者の意見を拾って、安全に自由な発言ができる環境を作って議論を推し進めるのは非常に難しいなと思いましたが、

時間に追われる外来の中で患者さんの満足度を上げることに近いのかなとか思うと、今後もファシリテーターをやる機会があったら意識して取り組んでいきたいと思いました。