初期研修病院について③職員と病院の役割(就職活動)

はいセレンです

本日の二つ目の記事ですが、初期研修病院の研修内容を考えるうえで

ライフスタイルごとに、福利厚生や設備面の話、自分の将来像や病院側の教育への考え方がマッチしているのかをテーマにして記事を書きました。

今回は初期研修の研修内容について私が考える、こういう点を見たいなということを発信したいと思います。

あくまでN=1の意見ではありますが、学生にどんなところが研修病院ごとに違うのかや、学生に研修を宣伝する先生方が自分の病院の強みを再確認していただければ嬉しく思います。

 

 

ではまず研修内容を考えたときに私が確認する研修の環境は下の図です

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どんだけ確認してるんだて話ですよね(笑)

全て切り離して考えることは非常に難しいですね…

 

人的環境

これは、一番大事だと思いますが、それを優先して
〇〇先生がいるからとそれを目当てで研修病院を決めない方がいいかなと思っています(矛盾してるないか!)

 

当たり前ですが、なぜ大事かというと、一人では何もできない研修医にとって、時にやさしく、時に厳しく教育してくれる人の存在が最も重要だからです。

 

まずこれを、考えるうえで、教育者として初期研修一年目の先生が関わる機会が多い人が一番大事になります。

例えば、
 規模の大きい病院で研修医がひと学年20人以上いて、初期研修医が同じ部屋を与えられている環境では、一番頼りになる、仕事を教えてもらうのは1つ上の研修医の先生になりますし

 規模が小さくて、初期研修医が一人、二人の病院で、研修医室がない病院では、指導医や専攻医クラスの先生に相談する機会が多くなります。

 

病院見学で、教えるのが上手な先生に付いて見学をさせてもらうと、この先生に教えてもらいたいからこの初期研修病院がいいんじゃないかなと思うのですが、

注意しなければいけない点が複数あります

・ローテート期間

・初期研修医、後期研修医や専攻医の人数

・異動

 

まずローテート期間ですが、例えばこの消化器内科の先生に教えてもらいたいと思ってその研修病院で初期研修をしたとしても、初期研修期間は半分以上が必修で埋められており、自由期間も病院ごとに規則があったりして、2年間研修するうちの3カ月しか回れないというような事例もあります。

 

初期研修医や後期研修医、専攻医の人数が重要なのは、特に本を書いていてカリスマ性があるような先生や、その先生に教えてもらうために全国から研修医を引き寄せるような先生の場合です。
というのも、指導医の先生も体は一つしかないので、どうしても年次が上で、その診療科を専攻してくれた上の学年の先生を指導するので手一杯だったりします。
確かに、初期研修から残れば後期研修医でもよく目をかけてもらえるかもしれませんが、働いてみると先生の印象が変わるという話もよく聞きますので熱狂的に一人の先生を追いかけるのは少し考え直した方がいいかもしれません。

 

つぎに異動ですね、特にそのいいなと思う先生が、医局の属している場合は、医局人事で病院が短期間で変わりうるので、気を付けた方がいいと思います。医局に属していなくても、将来の展望次第では、自分が入る年に別の病院にいるということもあるので、確認してみるといいかもしれません。

異動の有無をスクリーニングするには
先生て家建てました?』と質問するのが、感度特異度高めの信頼できる質問です(セレン調べ(笑))

 

一人の指導医を目当てにするべきではないと言いましたが、

どの指導医の先生に当たってもいいなぁと思う先生ばかりの環境だと、数人が異動しても研修するときに不満や後悔は少ないのではないでしょうか

 

人的環境で研修医も大事ですね

特に一つ上の研修医の先生にはお世話になる機会はたくさんあるので、必ず受ける病院では一つ上の先生方の雰囲気は重視した方がいいかなと思います。

また、いわゆる屋根瓦式教育を行う病院では、教育のレベルはその病院の一つ上の研修医や後期研修医のレベルによって決まるといってよいほどに重要です。

雰囲気以外では、研修医の分布というか、一つの出身大学から集まる病院やその地方のいろんな大学から集まる病院、北海道から沖縄まで全国から研修医があつまる病院があります。

自分の同級生が多い環境の方がストレスが少なくて良いという考えもありますが、医学部の狭いコミュニティを出たい人にとっては、全国から研修医が集まる風通しのよい環境は魅力的に映ると思います。

 

最後にスタッフについて、これは医師以外の職員の方との距離感や雰囲気です。

私が気にしているのは、他の医療職の方が、研修医にいろいろ意見をくれる環境が魅力だと思います。

研修医になって病棟管理などを手伝う際の書類仕事や指示だしなどの技術を身に着ける必要がありますが、不備があったときや、改善点などを気軽に指摘してもらえたり、職場内の暗黙のルールみたいなものを気軽に教えてくれる環境が嬉しいかなと思います
(例えば:看護師さんの引継ぎの時間や週末事情で指示出しをいつまでにしてほしいか、リハビリのオーダーなどの院内ルールを気軽に説明してくれる距離感)

こういう技術はそもそもどの病院に行ったとしても、気持ち次第で身に付くとは思うので自分は頑張りたいと思いますが、医師が看護師さんの悪口を平然と言うような雰囲気の病院を見ると、嫌煙したいなと思ってしまいますね…
職員同士で愚痴を言う病院よりも、うちの看護師さんはこうこうしてくれて仕事がやりやすいんだという先生がいる病院に勤めたいと思います。

 

役割

これは、キャリアに対する価値観でどうとらえるかが大きいので一個人の意見にしかならないと思います。

大学 VS 市中病院

大学病院は専門性がやはり強いという特徴がありますし、市中病院は症例数が多く、Commonな疾患を多く見れる環境にありますよね。

一般的に福利厚生面では市中病院が勝つことが多く、倍率など見ていても、市中病院の方が人気な傾向はあるのではないかと思います。

大学病院の強みが活きるのは
・いわゆるマイナー科志望(特にシーリングのある都道府県)
・研究に興味がある

・海外に行きたい

の3つが代表なのかなと思います。

眼科や皮膚科などは一部の都道府県では専攻医の人数に制限が設けられており、基幹プログラムにはいる場合も教授の推薦がもらえる医局員の方が有利なのかなと思います。

研究に興味がある場合、大学病院だと抄読会の機会が多かったり、学位を持っている先生も多いので論文の読み方など相談できる先生が多いのではないでしょうか

海外に行く場合、臨床留学はUSMLEなどの資格試験が必要ですが、リサーチフェローシップで行く場合は、給料などに目をつむれば大学から紹介してもらえば、比較的楽に行くことができるため、コネを活用する場合は大学の強みだと思います

大学病院の利点や良さは入局することで得られることが多いと思うので入局したくない場合は初期研修はとりあえず市中病院で医局の様子を見てみるのが良いかもしれませんね

市中病院には医師が少なかったり、眼科や皮膚科は医局から派遣される先生が外来だけという病院も多いですが、
一般内科などはスタッフの職員がいる場合もあり、医局派遣の先生医局に属さない先生がいるのでいろんな意見を聞いてから入局を考えることができてよいかもしれません。

入局する場合でも、人気のある大学病院の一般内科の場合は自大学の学生は外の市中病院で研修してCommonな疾患の診療の基礎を作ってから三年目で戻ってきてねという病院もあるくらいです。
⇒よくよく話を聞くと、大学は別の都道府県に行っていたが、出身地で働きたいとなり入局を決めた場合、その病院の先生の名前などを覚えるうえで、初期研修で毎月別の科をローテートすることで先生方の顔を覚えることができるのでよいという話も聞きます。

 

救急

一次救急、二次救急、三次救急のどれを見たいんだという話ですね。

週一回程度の当直が基本で、必修で2か月くらいは回ることになるので、どんな研修しているのかは確認した方がいいのかなと思います。

初期研修病院の場合は多くは二次救急か三次救急のところが多いと思います。

救急を勉強したい医学生は救急の専門医がいる病院で研修したいという話をしているのを良く耳にしますが、実際に見学して確認した方がいいと思いました。

例えば三次救急で多発外傷や熱傷が運ばれてくる病院でも研修医の救急での仕事は、トリアージされたウォークインの患者を診て、問診と基本的な検査を取って上級医と相談するという病院も多かったりします。

とりあえず、三次救急かどうかを重視するのもありますが

いわゆるER型の救急のような、救急車もウォークインもどんな患者さんにでも対応できる救急かどうかという軸を入れてみるのもありなのかと思います。

あとは、ドクヘリやドクターカーに乗ってみたいとか、山岳地帯の滑落患者が運ばれるとか、交通外傷が多い病院など、自分の興味がある救急を見てみたいという好奇心で見学に行ってみるのも一つだと思います。

あとは、病院によっては、救急以外のローテート中でも週一回は午後は救急外来をみる病院などもあり、病院ごとに個性があって面白いかもしれません。

 

病床数の規模と診療科

 

病床数と診療科の充実具合も重要ですね

大きい病院では

診療科が充実している病院は病床数も多く、医師もたくさんいる傾向にあります。

大きい病院のメリットは、専門性が高い疾患や診療まで見ることができる、特に診療科で悩んでいる医学生は、後期研修も同じ病院でいろいろ探せるメリットがありますよね。

あと大きい病院では、研修医の採用人数も多い傾向にあり、たくさん同期がいた方が楽しい人にも良いかもしれません。
特に全国から研修医が集まる大病院は、全国の知り合いができて刺激があるんじゃないかなと思います。

欠点というか大変なのは、1000床クラスの病院は見学するたびに迷子になりそうだなと思っています…(笑)

小さい病院では

とにかく、診療科やほかの職種の方の距離が近いですね
300床程度の病院ならば、おそらく、半年間あれば、職員さんの名前と顔を覚えることができますし、相談事がしやすい環境だと思います。

先生方も一度指導してもらった先生は別の科を研修している時も気をかけてくれるケースがたくさんあるとか…

大きな病気は専門家の先生や機材の充実している大きな施設に送る必要などはありますが、入院から退院まで一貫して患者さんを診る機会が多いのはよい点なのかなと

 

後は、人的環境で述べた、研修医に関わる機会がある先生が、一個上の研修医よりも、さらに上の上級医になる機会が多いので、アドバンスな指導を受けたい場合は、少数精鋭な病院に軍配が上がるかもしれません。

 

これは好みが分かれるかもしれませんが、
小さい病院は研修医の数が少ないので、レジナビなどの学生向けの研修医のリクルートの仕事をする機会が多くなるそうです。

部活の新歓が楽しい人はきっと楽しいのかなと思うので、初対面の後輩と話すことが好きな人にとっては楽しいんじゃないでしょうか?

 

 

 

まだ2/6を書いた段階でまた疲れてしまったので

続きは
また明日以降に書いていこうと思います

初期研修病院について②キャリアの価値観(就職活動)

はい、セレンです(仮名)

昨日書いた初期研修病院のチェックする項目第一弾が物凄い多くの方に読んでもらえてありがたいことだなと

この記事を紹介してくださる先生方には感謝しかないです。

 

初期研修病院の気にしたいポイントは
これから初期研修病院を探す学生はもちろん、リクルート側の研修病院の先生にも関心があるところなんだと改めて実感できたので、

少しでも参考に読んでもらえたら嬉しいです。

 

では本題のワークスタイル編ですが

これは前回の記事のライフスタイルよりも非常に複雑なんですよね

立地や寮の有無は個人個人で価値観がありそれぞれとはいえども


給料は高い方がいい、
食事もおいしくて安いところがいい
経費で必要なものを準備してもらえる環境がいい

 

上の三点に関してはおそらく全員同じ意見だから、正直分かりやすいんですよね

 

一方でワークスタイルを考えたときには、
医師として今後どうなりたいかから、逆算して初期研修2年で何を身に着けたいかというキャリアにに対する明確なビジョンを提示できる病院とそれに合致する医学生がマッチすることが双方にとって有益なのではないかなと考えます。

 

なぜ、初期研修でキャリアを意識することが重要なのか?

これは初期研修が特別な期間だからです。
学生から医師への過渡期である初期研修の期間は
医師として働くために必要な義務の期間であると同時に

研修医の医行為の責任を病院側・指導医側も持つ点に私はあると考えます。
実習があるとはいえ、座学中心の教育を受けてきた学生が国家試験に合格したからといっていきなり、一人前の医師として有事の際に責任を取らせるような構造やシステムに欠陥があると思いますよね。
だからこそ、研修医の医行為は制限があったり、何か重要な決断をする際に上級医への報告が必須なのだと考えます。

そして、初期研修は修了してしまえば再度行うことは通常できません

例えば、外科研修をしてから、内科に転向したいとなれば、専攻医としての研修は複数回かのう

医学部は入学目的が、医師国家試験受験資格を獲得するというほぼ全員の共通目的があり、入学後は卒業することと国家試験合格が共通課題ですが
初期研修後は何となく思い浮かぶ進路だけでも

・専攻医に進みたい人
自由診療の世界に進みたい人
・公衆衛生や医系技官に進みたい人
・実家を継ぐ準備をしたい人
・基礎研究に進みたい人
・起業したい人

と様々な道がありますよね

基礎研究や公衆衛生に進みたい人にとって初期研修は自分の時間が取れたり、研究や公衆衛生の勉強ができる大学病院がよかったりするかもしれませんし
自由診療に進みたい人や起業したい人は、仕事量が少なく、給料の高い巷でいう高給ハイポな研修病院で研修医修了書をもらいながら貯金をためたいかもしれません。

みんな違ってみんないいと思います

 

私自身のことをいうと医学の勉強が大好きな変人なので、
初期研修医期間では、自分がどれだけ成長できるかという点を重視していきたいと思っていますね。
3年目以降、病院総合医のように働くとなったときに
病棟業務を一人前にこなして病院に貢献できて、患者さんの治療や介入が正しい知識に基づいて行えること、また後輩の指導を上手にできるようになりたいと考えます。


必ず指導医の先生が自分のことを見守ってくれる初期研修医の期間に患者さんの治療の評価や計画を自主的に立案させてくれながら、足りないところを指摘してもらえる点に魅力を感じます。また、研修医期間は上級医や先輩に質問が許されやすい期間であるから、各臓器の専門家の先生から薬だったり、全身評価の考え方を学ぶ機会があること。また学生から社会人に変わり、医療現場で役割のある一員として行動する上で、団体競技であるチーム医療の他のポジション(多職種)の役割や相手が自分に求めることを、を学べる環境

この私の初期研修の目標を端的に言えば

心・技・体

というスローガンで示します。

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はっきり言ってこのような教育環境を整備するには、上級医や病院側の負担が大きいため、教育環境が完璧で、給料や福利厚生も桁外れによい病院は存在しませんね…

ただ、一度修了すると二度と行えない初期研修の期間は、プライスレスであるので、
生活に困窮する給料でなければ、給料だけで研修先を決めてしまう方が怖いなと思っています
前回の記事では、かなり福利厚生面などの確認もしていましたが、
研修内容は非常に重要ですね

 

キャリアに対するビジョンが重要なのですが

同じ医学生でも、キャリアに対するビジョンは非常に個人差があると思います。

医学生A:『試験に受かること医体で優勝することに全力を注いできました、国家試験に受かってから頑張ります。』

医学生B:『将来は〇〇科で第一人者になりたいと思い全国の勉強会に参加して、医学の勉強も人並以上に頑張ってきました。』


コロナ渦以降では部活ができないためAのような人も少ないと思いますが、どの大学にもAさんBさんのような人がいると思います。

Aさんタイプで、働き始めてから、自分の進んだ道の第一人者になることもありますし
Bさんタイプで就職してから燃え尽きるケースもあると聞きます
やはりこれも個人の価値観なのかなと考えます。

 

一方で病院のキャリア形成へのスタンスが
・病院が確固たる姿勢でうちはこういう研修スタイルで、〇〇な研修医になってもらいたいというパターナリズム的研修病院
・研修医の希望を随時聞きながら、ローテートの調整などを柔軟に対応してくれる、研修医を中心に考える病院

だいたい二通りに分かれてくると思います。

これもパターナリズムという言葉があまりよいイメージはないかもしれませんし

研修医の希望を聞いてくれる病院のほうがいいと思うかもしれませんが、そうとも限らないんじゃないかなと最近では思います。


初期研修医という医者の中で経験もない子供のような存在には、ある程度父親のように、ある種のレールを敷いてくれるタイプかなと思います。
規模の大きい病院や、大学病院によくある傾向があるだと思います。特に医局は、教授という絶対権力者の独裁体制と揶揄されることもありますが、医局員のキャリア形成のために全員がバランスよく成長できるようにキャリアプランを提案してくれます。

大きな病院で多くの研修医を見て、教育をしてきた先生の研修に対する考え方とただ、学生生活を終えて、国家試験を終えた医学生の考えの深さは、

社会経験がある親が進める進路と中学生が漠然と考える希望する進路くらいに違うのかなと考えます
であれば、漠然としか進路を考えてなかった学生にとってはある程度信頼できる上級医の先生に身の振り方をゆだねる方が向いていたりするんじゃないかなとも思いました。

ここで一つ、キャリアを考えるうえで

恐れながらですが

学生にも、病院の先生方にも

私からモノ申したいことがあります

 

まずは学生側に、
指導医や見学先で志望科や何に興味があるか聞かれた際に
指導医の先生に忖度して全く興味のない診療科に興味があるとお世辞感覚でいうべきではない

そして病院の先生方には、

学生に診療科や志望科を聞いて、自分の診療科にくる可能性が低いと思った瞬間
辛辣な態度をとったり、初期研修採用病院によっては、外科志望と答えない学生は面接で点数を落とすなど噂になるようなことは控えるべきだと思います

 

鶏が先か卵が先かみたいな話ですが、どちらもお互いのためにならないので、
気を使って志望科を偽るのはやめた方がいいと思います。

もちろん学生も内科志望だから外科の実習を軽んじていいわけでもないですし、実習の中で興味関心は変わっていくこともあります。内科志望でも、同じ医療現場で関わる以上外科の先生の考え方に触れて、将来コンサルが必要な場面で相手の考え方を尊重する姿勢は忘れてはいけないのはもちろんですが…

 

特に初期研修病院を選ぶ上ではお互いのニーズにマッチすることが重要である以上

最低限の礼節は当たり前ですが、面接で語る内容を全て猫をかぶって受験することは避けた方がその学生にも、病院側にも良いのではないかなと勝手に提案させてもらいます。

 

マッチング期間の今このように、初期研修病院に対する自分の理想だったりキャリアを考察すると思考が整理されるというかメタ認知的できている?かはさておき自分の考えを整理できていいですね

最後に少しいすぎたかなとか思いつつ、いったんここまでということで、余力があれば、病院の特性ごとに自分が感じるよい点など研修内容について深堀したいと思います。

ではまた

初期研修病院について①ライフスタイルについて(就職活動)

セレン(仮名)です。

今日も一つくらい記事を書いていきたいと思います。

マッチングの試験の移動や準備で勉強のネタの書く時間ないという言い訳で

 

学生向けには今日は初期研修病院の選び方や考え方を少しでも共有してもらいながら、

病院で働いている先生方には、ここがウリになるのかという点見学生に伝えられたらいいなと思います。

 

というのも、長期休暇は可能な限り病院に見学を申し込んでいたので、見学した病院は北海道から九州まで20病院以上病院見学に行かせてもらいました。

マッチングの面接では言えませんでしたがおそらく私の趣味は病院見学です(笑)

 

これだけ病院見学いっているのは、好奇心旺盛でフットワークが軽いから、津々浦々の美味しいごはんがたべたい(笑)というだけでなく、将来医学教育に携わりたい、研修プログラムなどに関わりたいと考えたときに、全国の病院を好き放題見学に行けるのは学生の今しかないと思ったのが最大の理由です。

 

色々な病院を見る前は、誰もが知ってる有名なブランド病院が一番すごいとか、箔をつけたいなんて思っていた時代もありましたが、

今回は具体的な病院名は伏せさせていただきますが、
見学したすべてに病院にそれぞれの良さがあって、医学生各々の価値観でどこが自分にとって理想的な病院なのかは変わるのではないかと思いました。

 

 

当たり前ですが、初期研修病院を選ぶにあたり、高校受験、大学受験とことなり、偏差値のような分かりやすいパラメータはありません。

本来、大学受験でも各大学の得意な面や不得意な面はあるかもしれませんが…

どうしても地方医大に通っていると、都内や歴史のある大学の医学部のカリキュラムや授業の方が断然いいなとは思います…(留学生との交流の機会や、海外の有名な先生の講演の機会は圧倒的に少ないですね…)

 

初期研修病院の特性を図るうえでは、大きく

ライフスタイル面のパラメータワークスタイル面でのパラメータで考えると分かりやすいかなと思いました。

 

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他にもあるかもしれませんが自分がパッと思いつく、初期研修病院を考える時にここ気になるなと思ったポイントですね

このパラメータ自体100%私の主幹に基づくものですが、

特に指導体制や進路や同期に対する希望は本当に人それぞれですし、主観的な評価になるので、ここら辺を重視する人ほど気になる病院は必ず見学に行くべきかなと思います。

 

ライフスタイルのパラメータ

ライフスタイルはいわゆるQOLに関わってくる側面が大きいところかなと思います。

ここの立地や給料については働き始めてから見学時に聞いていた話(研修医の先生が見せてくれる給料明細)と大きな差がないと言われている気がしますね
給料と立地は裏切らない!

では、さっそく一つずつ見ていきましょう

 

立地

これは、その人の考え方に寄りますね、住んでみたい地域で二年働いてみるという考え、実家近くがいい、都会で研修医がしたいなどいろいろあると思います。

私が立地で、気を付けているポイントは物価(給料に比べた、家賃の相場や生活費)といわゆる田舎の病院であれば、自家用車が必要な地域かまた雪が降るかどうか(スタッドレスタイヤの要不要)などですね
大抵、雪が降る地域の病院は物価が異常に高いとか、給料が低いことは少ないので、生活には困りませんが、運転したくない人や気候的に暮らしにくいなどあるかもしれません

個人的には近くに24時間のスーパーがあると、おなかすいたときに安く買えるので、いいなとか思ったりします。

 

給料関係 (福利厚生)

これも大事ですね、これも、病院経営の判断が大きく変わらなければ基本的に研修医の先生が見せてくれる給料明細と同じといわれています。

ホームページはパンフレットに記載されている給料は正直あまり当てになりません。

というのも、明確な記載ルールがないため、病院ごとに書き方が様々なので比較することはできません。直接働いている先生に教えてもらうのが確実です。

基本給によって時間外給料の時給が決まるので基本給の確認も大事ですが、私が気にしているのは

①時間外をどれだけつけてもらえるのか?

厳しい順に書くと
 時間外の概念がない
 緊急Opeや呼び出しならつけていい
 カンファに参加してもつけていい
 完全自己申告制

となり、完全自己申告制て、無法地帯やなぁと思いながら見ていますね
私が見た中では、緊急の呼び出しならつけてもいいよという病院が多い印象でした。

ただ、これは、病院毎だけでなく、回っている診療科によって変わる場合もあると思います。

 

②当直代と当直システム

一番給料に差が出てくるのはこの、当直代なんじゃないかなとか勝手に思っています。

というのも、私が知っている最も当直代が高い病院は1晩で8万円支給されます。

週1回、月4回程度当直に入ることが一般的とすれば、当直代だけで、月32万円です。
当直代だけで、都内の大学病院よりも高い給料になってしまいますね。

また、当直も、半直といういわゆる三交代制で8時間の夜間勤務を行う病院もあります。

半直でも当直代が高い病院では、17-24時で3万円支給される病院もあります。

確かに当直代が多くもらえる病院は眠れないほど救急車が来るなど忙しい背景もありますが、一晩当直しても6000円という病院もあり、病院内の24時間のコンビニで夜勤した方が稼げるというブラックな病院も…

 

補助金関連

以外とこの補助金も重要です

特に家賃補助はかなり大きいです。例えば家賃補助で月7万出る病院があるのですが、この病院の場合、年収上加算されない年間84万円分の給料が上乗せされるだけではないのです。
税金を考えれば当たり前ですが、税金を引かれてから84万円残すだけ給料を上げるとなると、年収によって変わりますが、100万近くは変わってくると思います。

一般に研修医でも年収330万以上の病院が多いと考えると所得税で20%持っていかれたうえで、家賃や通勤代を払いますが、家賃補助や通勤補助は税金がかからない分お得ですね。

BLSやACLSの補助金や、Up to DateやClinical keyを契約してくれる病院、また自分が気になる月間の医学雑誌を買ってくれる病院だと、給料から高い医学書を買う機会も減るので勉強したい人にとっても重要なのかなと考えます。

あと引っ越し補助ですね、冷静にマッチング試験を受けて引っ越しのことを考えると、船や飛行機が移動手段で必要な地域の研修病院で引っ越し補助がないとなった場合の引っ越し代を考えたときかなり悩みます。
遠い地域からの学生にとっては引っ越しの補助金をつたえると学生は心揺れると思います!

 

初任給の時期

これも最近になって一つ上の先生に話をきいて思うのが、4月の初任給が5月の下旬に振り込まれる病院も巷には存在しており、引っ越しで、引っ越し代、敷金礼金が飛んだ状態で慣れない環境で働いてストレスがたまる中、給料が2か月待ちという環境はすごいしんどいそうです。

家庭によっては、初期研修医のうちも、実家からの仕送りがある場合もあるので、給料関係はその家庭しだいかもしれませんが…

 

住居

これも大事な要素ですね、田舎だとマンションや新築物件が少なくて、むしろ一軒家に住む例などもありますが、一番気になるのは、原則、寮に入ることが義務かどうかですね。原則というのは、配偶者がいる場合は考慮などという場合が多いです。

寮の最大のメリットは敷金礼金がなく、探す手間も省けて、近くに先輩や同級生がいるのは心強いかなと思います。また、病院によっては、研修医寮にデザインハウスがあったりして、通常1月10万かかるようなマンションに5万で住めることもあるようです。

一方でデメリットとなるのは、寮が汚かったり、選択肢がないので、住居に強いこだわりがある人にとってはマイナスです。特に、Wi-Fiや備え付けの家具、家電特に冷蔵庫や洗濯機の有無は引っ越し代に影響するので確認します。

寮は病院ごとではあると思いますが、同期や先輩が近く、一緒にご飯食べたり、遊べる環境がいいという話や、先輩や知り合いに気を使うため飲み会がしにくいなど、それぞれの利点・欠点はあるのだなと思いました。

 

ただ、きれいで設備の整った寮がある場合、一般的に家賃も安く、敷金礼金や部屋探しの手間を考えると学生にはかなり+なポイントかもしれません

 

食事

これも非常に重要なポイントだと思います。というのも毎日の楽しみになりますからね。病院食堂が安くておいしいだけで、ストレスが減るんじゃないかと思います。

特に24時間職員が利用できる食堂を病院に隣接して作っているところは感動しましたね

食堂がない場合はコンビニや売店だと思いますが、これらも、ローソンのおにぎりがいいとか、ファミマのスイーツが食べたいとかそれぞれの好みもあると思いますし、

ポイントカードを何を使ってるかも大事かもしれませんね(笑)

 

病院設備

単純に病院が新築だとテンションがあがるとかありますし、

自分の生活空間がきれいかどうかて重要ですよね。

特に気にした方がいいかなと思うのは研修医室ですかね

いわゆる忙しいハイパー病院であれば、研修医室はただの荷物置き場なので気にしなくてもよいですが、たいていの病院では、研修医室が生活する空間になりうると思います。

研修医室は

①研修医1年目、2年目それぞれ専用の部屋がある

②初期研修医用の部屋がある。

③研修医用のスペースが上級医もいる部屋に作られている

④上級医に混じったデスク

の4パターンですね

プライベート空間が好きならば①だと、一つ上の先輩の不満が言えるからストレスがたまらなくてよいという人いますし、③、④の方が、研修医が悩んでいることに上級医が気が付きやすいので相談に乗ってもらいやすいなどそれぞれメリットがあるのかなと思いました。

ただ、①、②のパターンは研修医室にカルテがあることが多く、研修医が使いやすいパソコンを置いてくれていることはポイント高いかなと思います。

一方で、研修医室になくても、カルテ閲覧用のパソコンが十分にあるかどうかは重要な指標だと思います。学生実習でレポートを書くために学生用のカルテ閲覧パソコン占拠する人が多いと、学生カルテを書くためのパソコン探しに、病棟を歩き回る学生はうちの大学だけでないと思います(笑)

 

ハード的な設備以外では、スクラブや白衣を支給してくれたり、病院が洗濯してくれるかどうかも個人的には、気になります。忙しいとどうしても家事をしたくない性格なので、少しでも、楽したいので個人的には確認します

結構多くの病院で、タグに分かるように名前など書けば、自分のスクラブも洗濯してくれるところが多い印象です。

 

あとは、シャワールームがきれいとか、事務の方がAmazonで購入したものを研修医デスクに運んでくれるとか取り置きしてくれるというのも私的にはテンション上がります。

 

プライベート

これも個人個人の考えがあると思いますが、学生のうちから生涯ともにするパートナーがみつかればいいのでしょうが、そうでない場合は、医学部ストレートでも卒業時24歳で初期研修、後期研修の期間はいわゆる結婚適齢期で、パートナーを見つけたいと思うのは必然かなと思ったときに、若い人が少ない田舎の場合、初期と後期の両方ともそこで過ごす決断は勇気がいるかなと思います。

初期2年は勉強頑張って、3年目から伴侶みつけるぞという意気込みもあるかもしれません。

その他でいえば、スキーが趣味ならば、スキー場の近くがいいとか、釣りが趣味の人にとっては、海沿いの病院がいいとか、そういうこだわりもあるかもしれません。

 

私は魚特に、寿司が好きなので、魚介が美味しいとテンション上がりますね(笑)

 

 

軽い内容でブログ書こうと思ったらつらつらもう2時間もかけていました。

一端今日はここまでにして
働き方では何に注目しているかはまた明日以降書こうと思います。

悪性腫瘍の基礎(悪性腫瘍②)

セレンです。雨が上がってようやく甲子園も少しずつ試合が進み始めましたね。

さっそく、今日もひとつ記事を書いていきたいと思います。

昨日から勝手に始めた悪性腫瘍シリーズですが、

前回のプレゼンで重要といった
①臓器②組織型③Stage④PS⑤治療経過

で②や⑤の治療のターゲットポイントを理解する上では

基礎医学的な側面は重要だと思います

 

基礎的な復習を兼ねつつ

 

悪性腫瘍とは何か?

細胞の分類

国家試験にでてくる腫瘍

 

 

の3点で行きたいと思います。

 

悪性腫瘍とはなにか?

一般の人でもいわゆる”がん”という言葉には聞きなじみがあると思います。

ですが、患者さんに結局”がん”てなんですか?て聞かれたときに一言で説明するのて案外難しかったりするなと思い

教科書を開いてみました。

 

がん=悪性腫瘍 

というのは、医学では、Neoplasm(悪性新生物)を指しますね

定義では『細胞が生体の制御を逸脱し自律的に異常増殖することによって生じる腫瘤、もしくは病変を意味する』
           ※入門腫瘍内科第2版より引用

 

腫瘍病理学の権威Rupert Allan Willisが提唱したのは

“A neoplasm is an abnormal mass of tissue, the growth of
which exceeds and is uncoordinated with that of the
normal tissues and persists in the same excessive manner
after cessation of the stimuli which evoked the change”

 

つまり

一般の人に説明するときには

①癌は細胞が異常に増殖してしまう病気

②細胞が増えることが制御しきれない状態

 

の2点を説明すると的を得た表現になるのかなと思います。

 

少し付け加えるならば、

腫瘍が原病変から転移浸潤して全身に広がる能力をもつこと必須ですね
転移浸潤しない癌であれば、増えすぎた腫物を外科的に切除だけして治療できますからね

 

細胞の分類

細胞がなぜ大事かというと、”がん”=悪性腫瘍の本質が

細胞の異常増殖で、何が増えてるの?てなるからです。

定義の段階であえて癌という漢字表記を使用していませんでしたが、

皆さんご存じではあると思いますが、

医学用語では『がん≠癌』なんですよね

がん=Neoplasm 癌=Carcinoma

という定義で Carcinomaとは
上皮性の悪性腫瘍を指します

 

悪性腫瘍の由来が上記の上皮性と非上皮性に分けられます。

上皮性はいわゆる外界に接する皮膚、口から呼吸器や消化器のような粘膜や分泌腺を持つ細胞組織

 この上皮性細胞が悪性腫瘍となると”癌=Carcinoma”

非上皮性は外界に接しない、血管、筋肉、脂肪組織などが代表です。

 この非上皮性の細胞が悪性腫瘍となると”肉腫=Sarcoma”

細胞の由来から考えると分かりやすいように発生を意識して

私自身は

上皮性=外胚葉、内胚葉系の細胞

非上皮性=中胚葉系の細胞

と概ね考えてしまうのが良いかなと思います。

 

腫瘍=tumorが
ラテン語で腫れ物を指すように、これらの癌と肉腫は、固形の塊massを形成することが一般的で
いわゆる固形がんといいます

 

なぜ固形がんという言葉が存在するかというと

一つ例外的な話が中胚葉系の細胞の中で

血液系の造血器関連の腫瘍(白血病悪性リンパ腫、多発骨髄腫など)は別個に扱うことが多いです。

というのも、感染症でいうところのFocusが不明瞭で外科的な治療が存在しないことで分けているのでしょうか

 

国家試験に出題される悪性腫瘍

 

漏れは多少あるかもしれませんが

前述の固形がん、血液癌などのくくりごとに

整理してみました

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悪性新生物、さすがは死因統計の第一位を占めるといったところですかね

まとめている最中で、神経内分泌腫瘍や胚細胞腫瘍て上皮性腫瘍ではないけれど、肉腫に分類するような疾患でもないなとか…

やっぱり、臓器の専門家の先生でも腫瘍に携わる先生方は一部というのがうなずけるくらいに複雑ですね

 

近年の医学生のほぼ全員がみてるという国家試験予備校動画ですが、

国家試験でも非常に出題問題数が多い悪性腫瘍ですが、予備講義でも、感染症や免疫疾患は病態別にまとめる講義があるのですが、悪性腫瘍の病態をまとめた講座は少なくて

臓器別疾患を学ぶ一環でその臓器の腫瘍という形態の講義が主体なんですよね。

 

悪性腫瘍でこれだけ疾患ありますよて、予備校だったりでは教えてもらう機会が少なかったのでまとめてみて良かったかなと思いました。

 

 

医師になる第一歩として医師国家試験には落ちることができないので、まず国家試験に出題される悪性腫瘍について少しずつ、臨床を意識してまとめていきます。

それでは、また

 

担癌患者の評価とプレゼン(悪性腫瘍①)

どうもセレン(仮名)です。

本日ブログを立ち上げたところ、アウトプットの師と勝手に尊敬させていただいてる先生に見つけていただき光栄の極みなのです。

早速ブロガーはまず100本書くところから勝負というありがたいお言葉を頂きましたので、医学生ならではの内容で、勉強の備忘録などかねて書いていきたいと思います。

 

医学について色々とアウトプットしておきたいなと思っていますが、

特に感染症、抗菌薬、輸液、内科管理、膠原病界隈では

先人のブログが凄過ぎて、一医学生では二番煎じにしかならないと思いました…

 

自分の勉強になり、ニッチな需要がありそうなテーマないかなと思って
セレンディピティ的に考えていた時に

 

医学生が病院実習で最も多く回る大学病院で多くみる機会があり、

国家試験ではよく問われるが、臨床現場では限られた専門家が診療する機会が多いんじゃないかと思ったテーマです。表題の通りなのですが…

 

そうです

悪性腫瘍です。

 

緩和ケアを行う先生は詳しいかなとも思いますが、おそらく末期の患者さんがメインになるのかなということ

腫瘍内科という診療科もできつつありますが、内科的治療に限ったとしても腫瘍内科だけで、全ての悪性腫瘍を見る施設も少ないかなと思います。

 

弊学も悪性腫瘍診療に力を入れており、腫瘍内科がありますが、研究の都合上、やはり臓器別のスペシャリストが治療を行い、腫瘍内科の役割は、外科の化学療法の手伝いや、多発腫瘍や原発不明癌の精査を放射線科の先生と共同で行うこと、ペインと協力して緩和治療を行うという、ある種の隙間産業的な側面が強いと実習で感じました。

 

悪性腫瘍は私自身苦手意識があり、国家試験でも失点してるイメージで嫌煙していたところですが、

病院総合医を目指す身として、他科と協力する上での共通認識となる知識を勉強するいい機会と考えました。

 

しばらくは悪性腫瘍全般について、勉強したことまとめながら、
せっかく全臓器の悪性腫瘍を勉強できるいい機会と言い聞かせながら

一日1つ何か書いていきたいと思います。

 

 

前置きが非常に長くなりましたが、ここからが本題です。

医学生で癌患者さんのプレゼンをしないことはまずないと思います。

でも、大学の担癌患者さんて治療が複雑で全身の評価などが複雑でプレゼンが難しいですよね

 

話は感染症の場合三角形を意識しなさいと言われますよね

①患者背景(既往、免疫抑制の有無)②感染臓器③原因微生物と抗菌薬のスペクトラム

これはとても有名かなと思いますが、

 

担癌患者さんは三角形ではないですが、天理よろづ相談所病院の佐田竜一先生から聞いて感動しました。

私は勝手に悪性腫瘍のペンタグラムと呼んでいますが

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①臓器Focus(原発巣)

②癌の種類(組織像)

③進行度Stage

④患者背景performance status(PS)

⑤過去の治療

 

例:75歳男性の肺のEGFR陰性のAdenocarcinoma、StageIIIbです。PSは2で、CBDCA+NabPTXの1コース目を先日終了しました。…

 

患者さんの年齢と性別を添えて

これを①-⑤の順に並べると担癌患者さんのプレゼンとして

シンプルかつスムーズに流れると感動しました。

 

患者さんごとに治療の副作用だったり、そのほか院内での感染症やトラブルのについて付け足す必要はありますが、
①-⑤をまず提示することで、治療のイメージが共有しやすいのではないかと思いました。

 

①-②は診断学的に重要であり

②-③-④は治療を決定する上で科学的根拠にのっとりつつ、患者さんの状態も加味していく上で重要

⑤は今後の診療のために現在の状況をしらせるために重要なんですね…

 

ここでまとめていて気が付いたのは、①は原発巣が明らかでない場合は放射線科の先生の読影の力を借りたり、②の組織型は、分子標的薬の適応などのため病理の先生を借りたりすることを思うと当たり前ですが、悪性腫瘍も多職種連携ではなくても他科連携が重要で、やはり明確分かりやすくプレゼンする技術は重要と感じました。


①‐⑤を意識しながら、国家試験の出題される悪性腫瘍について毎日少しずつ調べながら発信出来たらいいなと思いました。

 

それではまた

 

 

 

 

 

 

 

自己紹介とセレンディピティの紹介

はじめまして

 地方の医学部に通っている6年生のセレン(仮名)です。

志望科はいろいろと悩んでいますが、病院総合医の働き方に魅力を感じており、総合診療科か、総合内科のどちらかを研修したいなと思っています。

 

趣味はボルダリング、ウインタースポーツと温泉巡りです。

部活は運動部系の属しており、医体にでたりもしていました。

勉強が趣味という変わり者で、英語は苦手だけど、医学の勉強のためと思い、

語学留学やUSMLEにチャレンジしたりいろいろしています。


なお語学留学などで英語の勉強しましたが全く話せる気もしないということでCS廃止となりOETやibtの勉強はおざなりで現在は医学の勉強に専念しています。

 

なぜブログを作ろうかなと思ったかというと

病院見学の際にブログを書かれてアウトプットを積極的にされている先生に感化されてブログを立ち上げてみることにしました。

 

はじめにブログのタイトルのセレンディピティの医師ですが

これはご存じのかたも多いと思いますが、

スリランカの童話のセレンディップの三人の皇子からイギリス人小説家ホレス・ウォルポールが作った造語ですね。

 

少しネタバレですが

この童話では、三人の皇子たちが、知恵と洞察力でトラブルを克服していく様が描かれています。

 

ラクダを失った男の話を聞いて、周囲の状況からラクダの左目が悪いこと、歯が欠けていること、足がわるいことを言い当てて、ラクダ泥棒の疑いをかけられることになるのですが…

 

この物語を引用してホレス・ウォルポールセレンディピティという造語「セレンディピティserendipity)」を生み出しました。

 

私がはじめてセレンディピティという言葉を聞いたのは「セレンディピティの石」

という寓話を中学生で聞いた時でした。

 

三人の兄弟が、王様におつかいに行くように頼まれます。
几帳面な長男はおつかいという目的に夢中なあまり、他のことには目もくれず、買い物を終えて戻ってきました。

不真面目な次男は、おつかいをさぼり、道すがら落ちていた石で水切りをして遊んで帰ってきます。

三男は、おつかいに出かけるのですが、道端に落ちている石が気になり観察して宝石の原石だと気が付いて持って帰ります。

 

⇒長男は真面目過ぎて周囲の様子に気がつけなかった。

⇒次男は周りのことに気が付けても、それが価値のあるものと気がつけなかった。

⇒洞察力と知識の両方に優れた三男が得をした

という逸話です。

 (ここからセレンディピティの石ならぬ医師と表題つけました)

 

これは日本語では偶察力などと訳されたりしますが、偶然に素敵なものにであったり、何か探しているときに別の価値のある何かに遭遇することを指します。

 

ノーベル賞受賞者鈴木章さんもセレンディピティの重要性を語っておりましたが、身近なところに価値のあるものが転がっている。重要なことはそれに気が付ける洞察力、また価値のあるものだと理解できる知恵があるかということですね。

 

診療でも、ささいな患者さんの変化に気が付ける洞察力と、その変化の医学的知識の両方を兼ねそろえたいですね