初期研修病院について②キャリアの価値観(就職活動)

はい、セレンです(仮名)

昨日書いた初期研修病院のチェックする項目第一弾が物凄い多くの方に読んでもらえてありがたいことだなと

この記事を紹介してくださる先生方には感謝しかないです。

 

初期研修病院の気にしたいポイントは
これから初期研修病院を探す学生はもちろん、リクルート側の研修病院の先生にも関心があるところなんだと改めて実感できたので、

少しでも参考に読んでもらえたら嬉しいです。

 

では本題のワークスタイル編ですが

これは前回の記事のライフスタイルよりも非常に複雑なんですよね

立地や寮の有無は個人個人で価値観がありそれぞれとはいえども


給料は高い方がいい、
食事もおいしくて安いところがいい
経費で必要なものを準備してもらえる環境がいい

 

上の三点に関してはおそらく全員同じ意見だから、正直分かりやすいんですよね

 

一方でワークスタイルを考えたときには、
医師として今後どうなりたいかから、逆算して初期研修2年で何を身に着けたいかというキャリアにに対する明確なビジョンを提示できる病院とそれに合致する医学生がマッチすることが双方にとって有益なのではないかなと考えます。

 

なぜ、初期研修でキャリアを意識することが重要なのか?

これは初期研修が特別な期間だからです。
学生から医師への過渡期である初期研修の期間は
医師として働くために必要な義務の期間であると同時に

研修医の医行為の責任を病院側・指導医側も持つ点に私はあると考えます。
実習があるとはいえ、座学中心の教育を受けてきた学生が国家試験に合格したからといっていきなり、一人前の医師として有事の際に責任を取らせるような構造やシステムに欠陥があると思いますよね。
だからこそ、研修医の医行為は制限があったり、何か重要な決断をする際に上級医への報告が必須なのだと考えます。

そして、初期研修は修了してしまえば再度行うことは通常できません

例えば、外科研修をしてから、内科に転向したいとなれば、専攻医としての研修は複数回かのう

医学部は入学目的が、医師国家試験受験資格を獲得するというほぼ全員の共通目的があり、入学後は卒業することと国家試験合格が共通課題ですが
初期研修後は何となく思い浮かぶ進路だけでも

・専攻医に進みたい人
自由診療の世界に進みたい人
・公衆衛生や医系技官に進みたい人
・実家を継ぐ準備をしたい人
・基礎研究に進みたい人
・起業したい人

と様々な道がありますよね

基礎研究や公衆衛生に進みたい人にとって初期研修は自分の時間が取れたり、研究や公衆衛生の勉強ができる大学病院がよかったりするかもしれませんし
自由診療に進みたい人や起業したい人は、仕事量が少なく、給料の高い巷でいう高給ハイポな研修病院で研修医修了書をもらいながら貯金をためたいかもしれません。

みんな違ってみんないいと思います

 

私自身のことをいうと医学の勉強が大好きな変人なので、
初期研修医期間では、自分がどれだけ成長できるかという点を重視していきたいと思っていますね。
3年目以降、病院総合医のように働くとなったときに
病棟業務を一人前にこなして病院に貢献できて、患者さんの治療や介入が正しい知識に基づいて行えること、また後輩の指導を上手にできるようになりたいと考えます。


必ず指導医の先生が自分のことを見守ってくれる初期研修医の期間に患者さんの治療の評価や計画を自主的に立案させてくれながら、足りないところを指摘してもらえる点に魅力を感じます。また、研修医期間は上級医や先輩に質問が許されやすい期間であるから、各臓器の専門家の先生から薬だったり、全身評価の考え方を学ぶ機会があること。また学生から社会人に変わり、医療現場で役割のある一員として行動する上で、団体競技であるチーム医療の他のポジション(多職種)の役割や相手が自分に求めることを、を学べる環境

この私の初期研修の目標を端的に言えば

心・技・体

というスローガンで示します。

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はっきり言ってこのような教育環境を整備するには、上級医や病院側の負担が大きいため、教育環境が完璧で、給料や福利厚生も桁外れによい病院は存在しませんね…

ただ、一度修了すると二度と行えない初期研修の期間は、プライスレスであるので、
生活に困窮する給料でなければ、給料だけで研修先を決めてしまう方が怖いなと思っています
前回の記事では、かなり福利厚生面などの確認もしていましたが、
研修内容は非常に重要ですね

 

キャリアに対するビジョンが重要なのですが

同じ医学生でも、キャリアに対するビジョンは非常に個人差があると思います。

医学生A:『試験に受かること医体で優勝することに全力を注いできました、国家試験に受かってから頑張ります。』

医学生B:『将来は〇〇科で第一人者になりたいと思い全国の勉強会に参加して、医学の勉強も人並以上に頑張ってきました。』


コロナ渦以降では部活ができないためAのような人も少ないと思いますが、どの大学にもAさんBさんのような人がいると思います。

Aさんタイプで、働き始めてから、自分の進んだ道の第一人者になることもありますし
Bさんタイプで就職してから燃え尽きるケースもあると聞きます
やはりこれも個人の価値観なのかなと考えます。

 

一方で病院のキャリア形成へのスタンスが
・病院が確固たる姿勢でうちはこういう研修スタイルで、〇〇な研修医になってもらいたいというパターナリズム的研修病院
・研修医の希望を随時聞きながら、ローテートの調整などを柔軟に対応してくれる、研修医を中心に考える病院

だいたい二通りに分かれてくると思います。

これもパターナリズムという言葉があまりよいイメージはないかもしれませんし

研修医の希望を聞いてくれる病院のほうがいいと思うかもしれませんが、そうとも限らないんじゃないかなと最近では思います。


初期研修医という医者の中で経験もない子供のような存在には、ある程度父親のように、ある種のレールを敷いてくれるタイプかなと思います。
規模の大きい病院や、大学病院によくある傾向があるだと思います。特に医局は、教授という絶対権力者の独裁体制と揶揄されることもありますが、医局員のキャリア形成のために全員がバランスよく成長できるようにキャリアプランを提案してくれます。

大きな病院で多くの研修医を見て、教育をしてきた先生の研修に対する考え方とただ、学生生活を終えて、国家試験を終えた医学生の考えの深さは、

社会経験がある親が進める進路と中学生が漠然と考える希望する進路くらいに違うのかなと考えます
であれば、漠然としか進路を考えてなかった学生にとってはある程度信頼できる上級医の先生に身の振り方をゆだねる方が向いていたりするんじゃないかなとも思いました。

ここで一つ、キャリアを考えるうえで

恐れながらですが

学生にも、病院の先生方にも

私からモノ申したいことがあります

 

まずは学生側に、
指導医や見学先で志望科や何に興味があるか聞かれた際に
指導医の先生に忖度して全く興味のない診療科に興味があるとお世辞感覚でいうべきではない

そして病院の先生方には、

学生に診療科や志望科を聞いて、自分の診療科にくる可能性が低いと思った瞬間
辛辣な態度をとったり、初期研修採用病院によっては、外科志望と答えない学生は面接で点数を落とすなど噂になるようなことは控えるべきだと思います

 

鶏が先か卵が先かみたいな話ですが、どちらもお互いのためにならないので、
気を使って志望科を偽るのはやめた方がいいと思います。

もちろん学生も内科志望だから外科の実習を軽んじていいわけでもないですし、実習の中で興味関心は変わっていくこともあります。内科志望でも、同じ医療現場で関わる以上外科の先生の考え方に触れて、将来コンサルが必要な場面で相手の考え方を尊重する姿勢は忘れてはいけないのはもちろんですが…

 

特に初期研修病院を選ぶ上ではお互いのニーズにマッチすることが重要である以上

最低限の礼節は当たり前ですが、面接で語る内容を全て猫をかぶって受験することは避けた方がその学生にも、病院側にも良いのではないかなと勝手に提案させてもらいます。

 

マッチング期間の今このように、初期研修病院に対する自分の理想だったりキャリアを考察すると思考が整理されるというかメタ認知的できている?かはさておき自分の考えを整理できていいですね

最後に少しいすぎたかなとか思いつつ、いったんここまでということで、余力があれば、病院の特性ごとに自分が感じるよい点など研修内容について深堀したいと思います。

ではまた