下痢の症例提示(MKSAP)
いつもの前置き
お久しぶりです
セレンです。
マッチングもあと最終発表をまつだけとなり
OSCEを受けてあと一回大学の試験を受けると
私はもう卒業なんだなぁと思うと感慨深いですね。
病院見学だったり実習をさせてもらいに行っていたり、方々の勉強会に顔を出させてもらってブログを書けない言い訳を作っていましたがいい加減書こうと思いました。
といっても勉強会で提示した症例とそのスライドなんですけどね…
症例提示:72歳男性 5か月前からの腹部膨満感と下痢
MKSAPの症例をアレンジして持ってきました。
日本の国家試験に出ませんがUSMLEなどではそれになりに聞かれる疾患なので興味を持っていただけたらならなと…
この段階で診断まで言ったらエスパーやなと思いますけど…
ということで何を聴くべきなのか?
今回は下痢の主訴に主眼を置いて考えてみました
そもそも下痢とは?
下痢について改めておさらいしたところで機序から考えてみると
病態からの鑑別のフレームがありますよね
そして病歴から、慢性の下痢と急性の下痢に分けられて
こういったことを考えると…
本症例では
脂肪便+下痢ということで
吸収不良を起こす疾患について議論を行い
・慢性膵炎
・ジアルジア症
・IBD
・胆道や乳頭部を閉塞させる病変
などが上がりながら
MKSAPだし、ウィップルとか、Celiac病
Compromised hostでクリプトスポリジウムがあるとか盛り上がりましたね
必ず出すであろう採血検査はこんな感じで
追加でオーダーした検査が
こんな感じで
生検もしているためウィップルやスプルーぽくもない
そして謎の小腸憩室…
診断は…
Glucose Breath Testを行い
⇒陽性
ということで
という出題でした
最終診断の解説
今回の症例は憩室という解剖的異常で小腸内で細菌が増殖しやすい環境が整って生じたのかなと思います。
まとめ
ということで
今回はSIBOでしたが
気づいた方も多いともいますが、過敏性腸症候群(IBS)に似ているなぁとか、PPIで起こす下痢の鑑別にCD腸炎、顕微鏡的大腸炎、そしてSIBOとするのもよいのかなと思います。
疾患として日本ではあまり広がっていないですし、診断を客観的につけることの難しさから注目されていませんが過敏性腸症候群(IBS)の患者さんの中の一定数には隠れていて日本では見つかっていないのかなとか妄想していました。
USMLEに興味あるかたはRugh-en-YときたらSIBOの流れがあるので押さえておくといいと思います。
ではまた、次回も勉強会のネタで記事を書けたらなと