高Ca血症について

 

いつもの前書き

お久しぶりです.かなり久しぶりにブログ書こうかなと

というのも,勉強会で症例提示する機会が増えるにつれて,勉強したことをブログで書いたら,ネタバレするやんけ+勉強会で出したことここに書くと使いまわせないという重大な欠陥に気が付いて,どうしたものかと…

 

というわけで,雑誌のCaseの1問ずつといて気になることをまとめていこうかなと思いました.

 

症例のネタ

今回はJAMAの症例を持ってきました図書館で読めそうなやつ探してみました.

この辺Case reportの問題の著作権的な範囲が読めないなと思いつつ

関連することを勉強してまとめようかなと

 

症例提示

23歳女性,
右大腿骨頸部骨折
CTで分かる溶骨性病変
Ca 14.8㎎/dl
P 2.3㎎/dl
Creは正常
Hb7.8g/dl

という症例でした

 

考察

自分なりの考察ですが

上記のことを総合すると経過の時間軸が読み取れなかったのですが

若年女性の高Ca,低P血症で貧血を伴う大腿骨頸部骨折

という1文にまとめて

骨吸収に働く何かがある

ということで

 

副甲状腺関連
- 機能亢進
- 腫瘍性(MENなど)
- 自己免疫的機序

②骨髄腫

③腫瘍転移

④骨代謝異常
- 栄養障害
- McCune-Albrightなど

 

かなと考えました.

 

 

最終診断

診断は副甲状腺機能亢進症でした.

 

勉強になったことをメモとして残すと

疫学では

- 女性に多い
- 50-60歳代にピーク

ということは知らなかったなということ

 

症状では

- 腎結石

-骨関連合併症

-消化器症状

-中枢神経症

に注意を払うんだということはキチンと押さえておこうと思いました.

 

この症例では貧血もあったので,腎機能障害以外はCRABを全て満たすということで

多発性骨髄腫と似た症状だなということで同じクラスターの疾患でよいのかなと勉強になりました.

 

考察では貧血は骨髄の線維化が関連しているとい仮説がありました.副甲状腺摘除で改善するらしいです.

また原発副甲状腺機能亢進症の特徴として初期は骨病変が来ない特徴があり

骨病変を起こす場合手の骨から骨吸収が始まると書いてあって ホント?と思いつつ片隅に覚えておこうかなと思いました.

高Ca血症の対応について

この症例ではビスホスホネート製剤で対応していたみたいなのですが

高Ca血症は中枢神経症状があれば急速に介入することが求められる病態であると感じました.

国家試験で問われますが,

まずは生理食塩水の輸液が大事ですね
(高Ca血症では腎性尿崩症のようになり脱水気味になるというのも一つだそうです)

古い教科書?というか予備校講義で生理食塩水+利尿薬みたいな話を聞いたことっがあったのですが,

MKSAP19の教科書では容量負荷による腎障害や心不全が疑われる場合以外ではループ利尿薬の併用は行わないそうです.

カルシ

Oncologic emergencyの高Ca血症の対応は

生理食塩水+カルシトニン と書いてありました.

即効性がありCaの低下が強く見込めるからみたいです

注意点はカルシトニンは3日以上使用すると効果が減弱することみたいです

 

そこで出てくるのがビスホスホネート製剤

血中のCaを低下させる効果こそ強いものの,効果が出るまで48時間程度かかるそうです.

 

この辺のマネジメントも実臨床で活かせるのような医師になりたいなと.

 

あと若年者の副甲状腺機能亢進症のような症状を見たときに

家族性低カルシウム尿性高カルシム血症の鑑別が抜けていたので意識しておきたいと思いました.

 

電解質異常をみたら,調節系を意識して

in-out のどこに異常があるのか?

最低限尿が気になると言える感性を持ちたいなと…

 

国家試験勉強以外の勉強会に参加しまくっていて忙しいという言い訳をしていますが,また時間あれば適宜書いていこうかなと思いました.

ではまた